2021/06/28
惹かれる理由
特に芸術に詳しいわけではないけど 美術館に行くのが好きで、二十代の頃から気になる展覧会があると足を運んでいた。
静かで落ち着く、忙しない日常から一瞬だけ現実逃避できるというのもいいけど
自分が生まれてない時代の 遠い国の人とも繋がれる気がするのが好きな理由。
◾100年前と現在とでは 室内の様子も町の景色も全然違う
でも 昔描かれた絵の前に立った時、自分と100年前の人は同じものを見ている そこが面白いと思う
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そういう感じで作品を見ているので現代アートにはあまり興味が行かない…
何かスゴい人らしいけど「別に」みたいな
こういうのって誰が価値を決めるんだろう…
◾たぶん「この人は凄い」という設定にすると 得をする人が決めるんだろう
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京都や奈良で 国宝や重要文化財クラスの物が見られる展覧会に行ったとき
熱心に鑑賞する中国の人たちを度々見た。
◾仏教も水墨画も陶磁器も 日本が中国に学んで発展したものなのに、本家の中国にはそれがほとんど残っていない
毛沢東の文化大革命があったから。
古い価値観を壊せ、芸術とか金持ちとか学者なんて労働者の敵というスローガンのもと
寺院や芸術や工芸など伝統あるものは破壊され焼かれた
小説「ワイルド・スワン」にも 好きだった美しい場所が無惨な姿に変わる描写があったように思う
写真はepochtimesよりお借りしました
何千年という歴史を重ねてきた文化が数年で無くなったことを読んで
「これが正義」と示されると 人々が一気にそちらに流れる怖さを、史実と小説で知ることになった。
◾今の中国は新しくできた大きなモノはあっても先祖伝来の文物は無い
故宮博物院にはある程度は残っているけど、
ヨーロッパの教会や日本のお寺や祭りのように
人々が暮らす日常の中に 何百年と続いてきた何かが存在することはない
経済的に余裕があり芸術文化に興味のある中国の人は
せめて日本で引き継がれた中国の文化を見ようと思うのかも知れない
日本は観光地でもない小さな町のお寺に 室町時代からの仏像や絵があったりして、
歴史のあるものが目の前にあるということに関して有り難みを感じにくい
だけど残っているというのは 海外の人が見に来るほど奇跡的なこと。
そして日本は自然災害の多い国
またノートルダム大聖堂のように、ある日突然 焼け落ちることだってある
◾何百年も前に 当時の人が技術と情熱を込めて作った物が目の前にあるというのは
実は当たり前のことじゃない
自分が展覧会に足を運ぶのは、そんな理由もあるのだろう
今は 不安なく開催や鑑賞ができる世の中に早く戻ることを願うばかり
美術の専門的な知識はなくても「自分の肖像画を描いてもらうとしたら どの画家がいいかな〜」とか
妄想混じりで鑑賞するのも楽しい♪
お読みいただきありがとうございました
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